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耳より情報
2025年05月15日 [耳より情報]

土地を相続したけど手放したい!「相続土地国庫帰属制度」とは?

オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。今回は、地域の頼れる不動産アドバイザー トラストバンク株式会社の齋藤 健児が「土地を相続したけど手放したい!『相続土地国庫帰属制度』とは?<後編>」と題して、お話しします。




先日、以前よりお付き合いのあるお客さま(Aさん)から、「ちょっと、齋藤さんにご相談したいことが……」と連絡がありました。話を聞いてみたところ、『田舎に住む両親が相次いで亡くなり、土地を相続した。土地といっても両親もずっと使用していなかった農地で、今後ほかの誰かが利用するとも思えない。どうすれば良いか?』という内容でした。

このAさんからの相談を受け、私が紹介した制度が「相続土地国庫帰属制度」です。今回は気になる「相続土地国庫帰属制度」の費用面などについて、深掘りしてゆきます。

▶「土地を相続したけど手放したい!『相続土地国庫帰属制度』とは?<前編>」はコチラから

Aさん:

「相続土地国庫帰属制度」について、大まかな内容は理解できました! ありがとうございます。まずは該当する土地が要件を満たすか否かを確認し、(法務局、もしくは地方法務局へ)相談に行くのがよさそうですね。


齋藤:

相談した後も申請書類の作成や審査などで、ある程度の時間を要すると思います。こういった内容は、つい後回しになってしまいますよね。気付けば数ヶ月経っていた……というケースも多いので、動ける間に進める方がよいかもしれません。


Aさん:

ただ、ちょっと気になるのが費用です。前回、まずは審査手数料として<土地1筆当たり1万4000円>が必要になるとお聞きしました。もちろんこれは、審査が通らなくても戻らない費用ですよね?


齋藤:

そうですね。申請後に取り下げたり、審査が通らなかった場合でも返金されることはありません。


Aさん:

さらに申請書類の作成(司法書士などに依頼)や土地の測量など、細かい費用もかかりますよね? この辺りはある程度仕方ないとは思うのですが……。最終的に承認された後の負担金まで考えると、お恥ずかしながら「少しでも費用を抑えられたら」と考えてしまいます。


◆負担金について/承認を受けたどのような種目に該当するか、どのような区域に属しているかにより、負担金が決定する。(具体例)宅地や田、畑など:面積にかかわらず20万円。森林:面積に応じて算定。

法務省のホームページもあわせてご確認ください。



齋藤:

いえ、そう思うのは当然ですよ。Aさんに近いケースの方から相談された際も、「せっかく土地を手に入れたのに、いろいろと負担ばかりで……」といった声がありました。そういう点から、もう一つお伝えしたいことがあります。たとえば地域によっては、土地を相続したことによる<費用の負担を軽減させる方法>もあるんです。


Aさん:

そうなんですか? ぜひ教えてください。


齋藤:

はい。静岡県富士宮市の事例をご紹介します。こちらには「小規模森林整備補助金」という制度があり、「申請者は市内で森林を所有する個人であること」「補助金交付後も5年間、森林として整備する土地であること」などの交付条件を満たし、申請後に交付が決定した場合、小規模森林事業に要する経費の2分の1が補助される仕組みとなっています。こういった制度を活用すれば、土地の測量代にかかる費用負担などを軽減できるでしょう。


富士宮市のホームページもあわせてご確認ください

Aさん:

なるほど〜。これまで、こういった地方自治体による制度などは、「自分には関係がなさそう」と、ほとんど目を向けたことがありませんでした。「どうせ費用がかかるから」と制度の活用を諦めてしまう前に、まずは情報収集をした方がよさそうですね!


齋藤:

おっしゃる通りです。新たな制度が設けられることもあるので、少し意識してアンテナを張りながら、ご自身にとってベストな選択をしていただければと思います。

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