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耳より情報
2026年08月31日 [耳より情報]

「買主は相場を知っている」売主が気づきにくい 不動産価値の“ズレ”とは? <前編>

オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。今回は、地域の頼れる不動産アドバイザー トラストバンク株式会社の齋藤 健児が「『買主は相場を知っている』売主が気づきにくい不動産価値の“ズレ”とは?<前編>」と題して、お話しします。





「できれば、少しでも高く売りたい!」 不動産を売却するとき、多くの人がそう考えるのではないでしょうか。一方で、「希望する価格で売れない」「なかなか買い手が見つからない」「結局、いくらなら売れるの?」という悩みを抱えるケースも少なくありません。

現在は、インターネットで物件情報を簡単に調べられる時代です。これから家を買おうとしている人は、複数の物件を比較しながら、「この条件なら、このくらいの価格」という相場感を身につけています。あらゆる物件の情報を入手したうえで、気になる物件があれば現地へ足を運び、“自らの目“で確認するのが通常の流れです。

ところが、売る側はどうでしょうか。おそらく「この家なら、これくらいで売れるだろう」と、自分の不動産だけを見て価格を考えてしまいがちです。実は、ここに「売れない原因」が隠れていることがあるのです。


今は、不動産情報サイトを見れば、現在売りに出されている物件を簡単に比較できます。
「この物件は駅から近いけど、日当たりがあまりよくない」
「こちらは少し古いけれど、同じ価格ならこっちのほうが広い」
「この条件でこの価格なら、こちらを選びたい」

実際に現地に行くことで、より“リアルな状況”を知ることもできるでしょう。

そんなふうに、いくつもの物件を見比べながら、自分なりの相場感をつくっていくのです。ところが、売主は、自分の不動産を売りに出すことはあっても、同じエリアで売りに出されている物件を見に行く機会はほとんどありません。

そのため、「自分の家なら、このくらいで売れるだろう」と考えていた価格が、実際の相場からズレてしまうことがあります。そして、そのズレに気づかないまま価格を高く設定すると、なかなか問い合わせが来ない、売却まで時間がかかる、といったことにつながります。

だからこそ、売却するときには「自分の希望価格」だけでなく、「買主から見て、その価格はどう見えるのか?」を考えることが大切なのです。

では不動産会社は、どのように適正価格を判断しているのでしょうか。その際に活用されるのが、「レインズ(REINS)」です。レインズは、不動産会社が物件情報を共有するためのネットワークシステムで、現在売りに出されている物件だけでなく、過去に成約した物件の情報も確認できます。

たとえば、同じエリアにある中古マンションなら、
「このマンションは、実際にこの価格で売れた」
「近隣の似た条件のマンションは、u単価○万円で成約している」

といった実績も知ることができるのです。

これは、「このくらいの価格で売りたい」という希望に対して、実際の成約事例をもとに考えるための大事な材料になります。さらに現在は、不動産情報サイトに掲載した物件について、は、「どのくらいの人が閲覧しているか」といったデータも確認できます。

たとえば、価格を設定して売り出したものの、閲覧数が多いのに問い合わせにつながらないのであれば、物件そのものではなく、価格などの条件が原因になっている可能性もあるでしょう。

昔は、「なかなか問い合わせがないので、そろそろ価格を下げますか」と、担当者の経験や感覚に頼る部分もありました。今は、さまざまなデータを確認しながら、「なぜ動きがないのか」を考えられる時代です。だからこそ、売主側も「いくらで売れると言われた」だけでなく、その根拠となる数字を確認しておくことが重要になるのです。

では、実際に「自分の不動産はどれくらいの価格で売れるのか」を判断する際、何を見ればよいのでしょうか。続く後編では、「路線価(※)上がった=高く売れる」ではない理由や、自分の不動産の適正価格を知るために、実際に売りに出ている物件を見る方法などについて、さらに詳しくお話しします。

(※)道路に面する土地の1uあたりの価格を示すもので、毎年7月に公表されます。(土地の価格を考える際の目安の一つですが、実際の売却価格とは異なります)。
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