耳より情報
2026年04月28日 [耳より情報]
亡くなった人の想いをつなぐ「遺品」の活かし方

今回は、その中で出会った、ある出来事をご紹介いたします。
突然の別れと、残された義足
病気により右足を切断し、義足で生活されていた方が、昨年秋に急逝されました。その方のご自宅には、まだ完成していない「新しい義足」と、使い慣れていた「古い義足」が残されていました。
本来であれば、亡くなられた翌日にはリハビリで使うための新しい運動靴とズボンを買いに行く予定でした。
「新しい義足に慣れて、春には近所の桜を見に行きたい」
そんな前向きなお話を、つい先日までされていたばかりでした。
その想いを知っていたので、なおさら、この義足がそのまま廃棄されてしまうことに胸が痛みました。
義足をつなぐ可能性との出会い
そこで私たちは、「ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」の代表であるルダシングワ真美さんにご連絡しました。この団体は、アフリカのルワンダで、身体に障がいのある方々に義足を無償で提供する活動を、1996年から続けています。
ルワンダでの現実と義足の意味
ルワンダでは、紛争や事故、病気などさまざまな理由で手足を失った方が多くいらっしゃいます。しかし、義足は非常に高価で、多くの人にとって手の届かないものでもあります。
義足があるかどうかで、「歩けるか」「働けるか」「学校に通えるか」といった、人生の選択肢そのものが大きく変わってしまう現実があります。
ムリンディの工房では、日本から寄付された部品なども活用しながら、一人ひとりの体に合わせた義足が作られています。
そして、その義足によって、再び歩き出す人がいる・・・
仕事に復帰する人がいる・・・
家族のもとに戻る人がいる・・・
「使われなかったもの」から「未来をつくるものへ」
今回の義足も、形を変えながら、遠く離れたルワンダの誰かの「もう一度歩きたい」という願いを支える可能性があります。そう思ったとき、この義足は「使われなかったもの」ではなく、「これから誰かの未来をつくるもの」へと意味を変えたように感じました。
寄付をつなぐための大切な確認
一方で、どんなものでも寄付すればよいというわけではありません。現地で実際に使える状態であるか、部品として再利用できるかなど、しっかりと見極めることが必要になります。
まずは、義足の状態が分かる写真をお送りし、現地で活用可能かどうかを事前に確認していただきました。
その結果、「活用できる可能性がある」とのご判断をいただき、初めて今回の寄付へと進むことができました。
こうした一つひとつの確認があるからこそ、支援が無駄にならず、本当に必要としている方に届いていきます。
遺品を扱ううえでの大切な手続き
加えて、遺品の取り扱いには大切な手続きがあります。亡くなられた方の持ち物は、相続人の方のご意向を確認しながら進める必要があります。
今回のケースでは、相続人の皆さまが遠方にお住まいでしたが、不動産の売却は「トラストバンク株式会社」の齋藤健児さんに、遺品整理は「みらいの整理サポート株式会社」の細野博之さんにご協力いただきました。
齋藤さんには寄付の趣旨を相続人の皆さまに丁寧に説明していただき、ご理解とご同意を得ることができました。
また細野さんには、義足から再利用できる部品を丁寧に取り出していただき、次につながる形へと整えていただきました。
現場で感じる「つなぐ仕事」のやりがい
細野さんは、日々の現場について次のように話されています。「日々の作業の中でも、可能な限り仕分け・分別を行い、リサイクルやリユースができるよう心掛けています。
今回のように、故人が使用されていた身の回りのものや大切な家財を、ただ廃棄するだけではなく、再利用・再活用することができるのであれば、故人やご親族の方にも喜んでいただけると思いますし、作業する私どもにとっても、大きなやりがいを感じます。」
遺品がつなぐ想いと未来
亡くなった後に残された「モノ」は、単なる物ではなく、その人の想いや人生の一部でもあります。そしてその想いは、形を変えて、誰かの未来を支える力になることもあります。
今回の経験を通じて、「遺品を活かす」という選択肢があること、そしてそれを支える“人と人とのつながり”の大切さを、あらためて感じました。
オーケストライフは、これからも地域のさまざまな専門家や団体と連携しながら、一人ひとりの想いに寄り添い、その想いが次へとつながるお手伝いをしていきたいと考えています。






